自民党は27日昼の衆院予算委員会理事会で、昨年9月に沖縄県尖閣諸島沖で起きた
中国漁船と海上保安庁巡視船の衝突事件をめぐる政府の対応を追及するため、当時の菅
直人首相と仙谷由人官房長官松本健一内閣官房参与の証人喚問を要求した。衝突事件
で逮捕された中国漁船の船長を那覇地検が釈放したことに関し、政府は当時、検察独自
の判断との立場を強調した。しかし、松本氏はインタビューに対し、菅、仙谷両氏によ
る政治判断だったとの見解を示している。 

 

松本氏は「菅首相が国連総会の最中に仙谷氏に電話をかけて、釈放するかしないかでや
りあっていた」とした上で、「最終的には菅首相が判断した」と説明している。これが
本当であるとすれば、大変な問題であろう。那覇地検の判断によるものとして、政治介
入を否定したわけだが、その言葉を信じた国民は少ないだろう。未だに衝突事件のビデ
オは全面公開されておらず、一部が「流出」と言う形で公開されたに過ぎない。中国へ
配慮したつもりなのかもしれないが、尖閣諸島は自国の領土であると主張している彼等
にとって、菅・仙谷両氏の政治判断は国益を損ねただけである。そのことに気付いてい
ながら、那覇地検に責任を押し付けたのは許されない。