航空自衛隊の次期戦闘機の機種選定で、有力候補とされているF35戦闘機を主に開発
した米ロッキード・マーチン社が、日本の防衛産業にF35の製造技術を一定程度開示
し、主要部品の製造やエンジン組み立てなどを認めることを防衛省に提案していたこと
が7日、わかった。共同開発に参加した米英など9か国以外に製造過程への参加を認め
るのは初めて。同社関係者は「米政府が日本に対し、広範囲の技術開示を行うことを了
承した」と説明している。F35はレーダーにとらえられにくい最新のステルス性が盛
り込まれ、最先端の「第5世代機」に位置づけられているが、機密部分が多く国内産業
が最終的な組み立て以外は関与できないことが問題視されていた。

 

F−4EJの後継機としてF−35(ロッキード・マーチン)、F/A18、タイフー
ン(BAEシステムズ)の3機種の提案があったようだが、性能面で見えれば第5世代
機を導入したいのが、防衛省の本音であろう。今回、ロッキード・マーチンが我が国の
防衛産業に製造技術開示する方針とのことで、国内での最終組み立てと一部部位のライ
センス生産が現実味を帯びてきた。中国やロシアが第5世代機の開発を進めている中で、
対抗策を講じないまま座して待つ必要はないだろう。むろん、我が国が過去に何度も起
こしてきた機密の漏洩には、細心の注意が求められる。F−22の導入が頓挫した以上、
現実的な判断を防衛省に期待する。