安住淳財務相は12日午前の経団連との懇談会であいさつし、社会保障と税の一体改革
に関して、「消費税(の税率引き上げ)を正直に国民にお願いするしか道はない。来年
には必ず消費税の法案を(国会に)出す」と述べ、2010年代半ばまでに10%に引
き上げる政府方針に沿って、実現させる強い決意を表明した。財務相はまた、「直間比
率の見直しを含めて、それぞれの税制について抜本的改革を行う」と語り、所得税など
も含めた税制抜本改革により安定税収の確保を目指す考えも強調した。

 

消費税の法案を来年には必ず出す、この言葉を憶えておく必要があるだろう。つまり、
この法案を出した時点で国民に信を問う形で解散となるのか。それとも法案だけ成立さ
せておこうという腹なのか。残り2年の任期で民主党社会保障と税の一体改革にどれ
だけ取り組めるか、その点は大いに疑問である。当選1、2回の新人が多数を占める小
沢グループは増税路線に反発しており、むろん選挙を意識してのことだけに、これをど
うまとめていくのだろうか。2010年代半ばまでに10%に引き上げる政府方針が、
掛け声倒れに終われば、野田政権のダメージは大きいはずだ。