民主党は党代表任期の検討委員会を設け、議論を近く再開する。細川律夫厚生労働相
が委員長に就任し、来年1月の党大会までに見直し案を決める方針。現行の任期は2年
で、代表が途中交代した場合の新代表の任期は「前代表の残任期間」。8月の代表選で
勝った野田佳彦首相は昨年9月に勝った菅直人前首相の残り期間を引き継いだため、来
年9月にも代表選があり、選挙戦となれば4年連続となる。これでは安定した政権運営
ができないとして、菅政権で見直し議論を開始。今年7月の中間報告で、任期を撤廃し、
党所属国会議員の過半数の要求で代表選を実施できる事実上の「リコール規定」を設け
る、任期を3年に延長し、途中辞任後の新代表にも適用するの2案をまとめた。

 

民主党はかつて、自民党が首相を挿げ替えることで政権維持していることを「政権たら
い回し」と非難していたわけだが、その言葉がそっくりそのまま自分たちに戻ってきた
現状には、さすがに危機感を憶えたと見える。菅前首相の居座りを許したのも、リコー
ル規定がなく、辞任させるには衆議院内閣不信任決議案しか選択肢はなかった。野党
時代では良かったかもしれないが、与党と言う立場に合わせた形が必要である。野田首
相の代表任期は1年を残すのみで、来年の9月にまたしても代表選が行われる。むろん
無投票での再選と言う可能性はあるにしても、復権を狙う小沢氏の動き次第であろう。
また、野田政権が傾いていれば顔を挿げ替えようと画策する勢力も出てくる。それこそ
政権たらい回しそのものであろう。