野田首相は、原則としてすべての武器と関連技術の輸出を禁じる政府の武器輸出3原則
を緩和する意向を固め、11月に行われる見通しの日米首脳会談で、オバマ大統領に表
明する調整に入った。複数の政府筋が13日、明らかにした。緩和は、世界的な潮流で
ある武器の国際共同開発・生産への参加に道を開くもので、巨額の財源が必要な防衛装
備品調達のコストダウンにもつながる。米国は、日本の高い技術力を共同開発に生かす
ことを以前から求めており、首相は、日米同盟の強化にも資すると判断した。

 

武器輸出3原則の理念は正しいにしても、理念だけでは厳しいのが現実である。世界的
な潮流である武器の国際共同開発・生産への参加出来るようになるだけでも、我が国に
とって大きなメリットとなる。例えば航空自衛隊の次期主力戦闘機として導入が検討さ
れているF35も9か国が共同開発に参加している。我が国の高い技術力が共同開発に
活かし、より優れた武器を自衛隊に導入することが可能になる。むろん、技術だけを持
っていかれるようでは意味が無く、その辺は注意が必要であろう。事実上、自衛隊向け
の武器製造を余儀無くされていた防衛産業は、予算の削減もあって尻すぼみ状態にあり、
このままでは衰退していくのは間違い無い。今回の流れで一番心配なのが、野田首相
きちんとやり遂げられるか、だけである。