民主党は15日、都内のホテルで野田政権発足後初となる全国幹事長会議を開いた。野
田佳彦首相は就任時の保有資産が歴代首相で最少だったことを逆手に取り、「資産はな
いが、全国に良き同志ありという思いだ」とおどけながら地方議員に結束を呼びかけた。
首相は「まだ国民の多くに政権交代をしてよかったと思える実感がない」と述べ政権運
営への協力を要請。これを受け、輿石東幹事長は「政権交代への期待が大きいほど失望
と落胆も大きくなる。首相を全力で支えたい」と訴えた。

 

野田政権発足後の全国幹事長会議は和やかな雰囲気で行われたようだ。前回の全国幹事
長会議は7月9日で、菅前首相が退陣偽装を行った後だっただけに、かなり紛糾したも
のだったが、それもその通りだろう。退陣表明をした首相を担いでいても仕方が無い上、
民主党の支持率はジリ貧状態に陥っていた。雰囲気が和やかだったのも、野田首相が安
全運転を心掛けているおかげで、50%前後の支持率は維持出来ていることが大きいだ
ろう。質疑ではTPPの交渉参加問題に関心が集まり、地方側から「地元では『農業を
崩壊させるのが民主党』といわれた」と交渉参加を不安視する声や、「党内の議論がき
ちんと全国に伝わるようにしてほしい」との要望が噴出した。かつては都市政党として
のイメージが強かった民主党だが、2年前の衆院選での大勝で地方にも一気に勢力を伸
ばした。こういった不安が出るのも当然であろう。