野田佳彦首相が就任して1カ月半。歴代首相が毎日応じてきた「ぶら下がり取材」
を拒んだ結果、「生の声」で情報発信する場面が減っている。首相は10月3日、
随時の記者会見を「ある程度の頻度でやっていきたい」と語ったが、その後、2週
間近くたっても開かれていない。失言を避ける「安全運転」なのだろうが、民主党
小沢一郎元代表の初公判時など、必要なときに首相の見解をただせない不満がメ
ディア側に高まっている。野田首相首相官邸で記者会見に応じたのは9月2日の
就任時と、臨時国会が閉会した9月30日の2回。このほか、米ニューヨークで国
連総会に出席した際の記者会見や、東日本大震災の被災地などを視察した現場での
記者団とのやり取りもあり、「9月の首相の記者会見などは11回だった。

 

どうやら菅前首相から「ぶら下がりはやらない方がいい」と野田首相に引き継ぎが
されていたようだが、それにしても何も語らなければ支持率が維持出来ると思って
いるようでは甘すぎるだろう。随時の記者会見を「ある程度の頻度でやっていきた
い」と自ら語っておきながら、その記者会見も開かれていない。揚げ足取りに終始
するマスコミにも問題はあるが、野田政権が何をしたいのかを知る機会が少なすぎ
るのだ。そもそも、鳩山政権や菅政権がジリ貧に陥ったのは、あまりに失言が多か
ったと言うことだろう。自らの責任をマスコミに転嫁するのは如何なものであろう。
言った言ってない、そんなことを主張するようでは我が国の政治家のレベルが知れ
ると言うものだ。語るべきものは語る、何を恐れるのだろうか。