藤村官房長官は17日の記者会見で、沖縄のアメリカ軍普天間基地の名護市辺野古
の移設について、環境影響評価書を年内に沖縄県に提出することを明言した。藤村官
房長官は「年内にアセスを提出をするということになると思います」、「日米合意を
ふまえたうえで、もちろん沖縄の皆様にしかるべく説明をしながら、しっかりと手続
きを進めていきたい」と述べ、名護市への移設について、アセスメント結果をまとめ
た環境影響評価書を、年内に沖縄県に提出する方針を明言した。そのうえで、政府が
2012年夏までをめどに申請を目指している沿岸部の埋め立てについては、「具体
的にいつ埋め立ての許可申請を行うということを、政府として決定したことはない」
と述べるにとどめた。

 

あくまで地元である沖縄の理解を得る、と政府は繰り返しているものの、果たしてそ
れはいつになるのだろうか。仲井眞知事は本心では移設容認派、との声があるわけだ
が、名護市長が反対派であるために身動きが取れない状況にある。米国の強い要請の
前に引くに引けず、かと言って沖縄の反発のために進むに進めないのが野田政権の現
状ではなかろうか。世界一危険とまで言われる普天間基地をどう移設するか。むろん
理想としては移設もせずに、基地そのものを無くせればベストであろうが、日米合意
を無視するわけにもいくまい。鳩山氏の「最低でも県外」との発言が無かったら、今
頃はもっと良好な関係が築けていたのではないか。それがかえすがえす悔やまれる点
である。政権交代とはいったい何だったのだろう。