平野達男震災復興担当相は18日、東日本大震災津波被害に関し「私の高校の同
級生みたいに逃げなかったバカなやつがいる。彼は亡くなったが、しょうがない」
と述べた。福島県二本松市で行われた参院民主党の研修会のあいさつで語った。犠
牲者やその遺族への配慮を欠いた発言で、進退問題に発展する可能性も出てきた。
平野氏は、大震災時に堤防の門扉を閉めに行った消防団員や、安全とされた避難所
などに逃げた人が津波にさらわれ犠牲になった例を紹介した上で、同級生の話を披
露。研修会後記者団に「不快な思いをされた方には心からおわびする」と謝罪した。

 

復興担当相とは本来相当に重い責務を果たさなければならないポジションのはずだ
が、松本前担当相の暴言によってイメージは大きく損なわれた。今回の平野氏の発
言を額面通り受け止めるなら、確かに不適切な内容かもしれない。だが、ここでの
「バカ」との言葉は親しみを込めたものではないか。犠牲者や遺族への配慮が欠け
ているとの指摘も、そうなると的外れな批判となる。確かに「バカ」との言葉を使
うのは問題があるが、これを失言と言うには少々無理があるような気がする。復興
担当相がコロコロ変わっているようでは、ますます被災地の復旧・復興が遅れるば
かりである。マスコミは揚げ足取りに終始している場合ではなかろう。