玄葉光一郎外相は25日の閣議後会見で、藤村修官房長官らが環太平洋パートナー
シップ協定の交渉に参加した後でも途中離脱が可能との見方を示していることにつ
いて「簡単な話じゃない。論理的にはあり得るが、どういう国益を損なうかよく考
えなければならない」と述べ、否定的な考えを示した。一方、藤村官房長官は会見
で「一般論としてあり得る。過去にもある」と改めて強調した。民主党前原誠司
政調会長も23日に途中離脱の可能性に言及しており、政権内で見解の違いが鮮明
になった。

 

TPPへの参加について、民主党内では慎重派が勢力を増しており、交渉の途中離
脱が可能としたのも、そう言った勢力に配慮してのことだろう。だが「論理的には
あり得るが、簡単な話じゃない」との玄葉氏の発言ももっともなことである。交渉
のテーブルについた以上は、よほどの覚悟が無い限り離脱は難しい。むろん、TP
Pにはさまざまな懸念があるのは間違い無く、交渉参加の是非は慎重な判断が必要
とされている。特に影響が懸念される農業分野に関し、政府が25日決定した今後
5年間の行動計画について「まだ十分ではなく、最終的には新たな制度を作らない
といけない」と玄葉氏は語る。農業分野を国が補助と言う形で支えるには、国民が
その意義を理解しなければならないだろう。