野田首相所信表明演説に対する各党代表質問が31日午後、衆院本会議で始まる。
最初の質問に立つ自民党の谷垣総裁は、「民主党政権で3代目の首相を戴くに至っ
た。自民党で3人の首相が代わった際に、(野党時代の)野田首相は『民意を問う
べきだ』と言われた」と述べ、早期に衆院解散・総選挙を行うよう要求する。谷垣
氏は、首相の政権運営について、「安全運転のおかげで大きな混乱はもたらされな
かったが、何の政策も進められなかった」と批判する。東日本大震災の復興債の償
還期間に関し、政府案の10年では「短すぎる」として大幅延長を求める。民主党
は、15年に延長する案を示しているが、自民党は、さらなる延長を迫る方針だ。

 

自民党は菅政権をあと一歩まで追い詰めながら、結局は首の挿げ替えによって延命
されてしまった。民主党政権化で3代目となった野田首相は、菅政権の二の舞とは
ならないためにか、安全運転に終始している感がある。そうなると自民党は攻め手
を閣僚に向けたわけだが、果たして追い込めるだろうか。来秋に自民党総裁選を控
える谷垣総裁にとって、この1年間は非常に重要な期間となるだろう。民主党は任
期満了まで解散を選択しないであろうし、そうなれば新総裁で選挙戦に突入するこ
とになる。自民党の悪い癖として「選挙の顔」で総裁を選びたがる以上、谷垣氏が
再選出来る可能性は低いだろう。再選の可能性としては、総裁選前に野田政権を解
散に追い込み、勝利すること。それに尽きる。迫力不足と言われる谷垣氏だが、意
地を見せられるか。注目したい。