「党内の意見を抑えると言い出した時点で民主党執行部の負けだ。もう勝負あった
!!」環太平洋戦略的経済連携協定に反対する国民新党亀井静香代表は2日の記
者会見で“勝利宣言”した。アジア太平洋経済協力会議野田佳彦首相が交渉参加
を表明することについては「そんな国益に反することを発言できるわけない」と断
言。「首相はAPEC前に私にも意見を聞きたいと当然おっしゃると思う」と首相
との直談判を暗に求めた。一方、慎重派を「宗教的関心」とした仙谷由人政調会長
代行の発言を「TPPと宗教は関係ない。そんなこと言い出した方が負けだ」と批
判。「見切り発車すれば間違いなく党をつぶすことになる。友党として見ておれな
い」と語った。

 

国民新党の亀井代表は民主党内の反対派にとって強力な援軍であろう。執行部がT
PP参加に傾斜する中で、連立のパートナーとして明確に反対を打ち出す。これ以
上無い牽制となるはずだが、如何せん国民新党は弱小政党であり、さすがに執行部
の考えを覆すほどの力は無いのだ。TPP参加の推進派は米韓FTAを理由に挙げ
るが、韓国国内でも批准に反対する動きが激化しているようだ。TPPに参加すれ
ばバラ色の未来が待っているわけではない。参加ありきで交渉のテーブルにつけば
確実に足元を見られるだろう。前のめりにさせないためにも、亀井代表のような存
在は必要である。国民が多くの疑念を抱えたまま、政府はTPP参加に突き進む。
いったい誰のための政府なのだろうか。