五十嵐文彦財務副大臣は27日のフジテレビの番組で、消費税率の引き上げに関連し、
子ども向け手当の増額を「考えなければいけない」と述べ、低所得者ほど負担感が重
くなる消費税の「逆進性」緩和策として、手当増額が一つの選択肢になり得るとの考
えを示した。子ども向けの手当をめぐっては、民主、自民、公明の3党が、所得水準
に関係なく同額を給付している現行の「子ども手当」を廃止し、来年度から所得制限
を設けた新制度に移行することで合意している。

 

このような安直な考えで消費税率の引き上げを考えているのだとすれば、国民はとう
てい受け入れないであろう。なぜ、そこで子ども手当の増額に行きつくのかが大いに
疑問である。この番組で増税の根拠として五十嵐氏は「社会保障のサービスが過剰で
負担が低すぎる。もたないのは明らかで、改善の方向に向かせなければならない」と
語っていたわけで、社会保障のサービスに子ども手当も含まれるのではないか。本当
に困っている低所得者への配慮は必要だろうが、それは子ども手当を増額することは
イコールではないはずだ。財務副大臣がこの程度の認識しかしていない以上、野田政
権が本気で消費税率の引き上げに取り組めるとは思えない。