野田佳彦首相は29日の参院財政金融委員会で、大阪市長、府知事のダブル選で勝利
した地域政党大阪維新の会」が掲げる「大阪都」構想について「(ダブル選で)民
意が示されたので、しっかり受け止める。大阪の中での議論を注視しながら、具体的
な中身をわれわれも検討しなければならない」と述べ、前向きに対応していく考えを
表明した。水戸将史氏への答弁。選挙結果などに関し、首相が公の場で発言したのは
初めて。首相の諮問機関である地方制度調査会での議論が念頭にあるとみられる。

 

民主党は市長選では平松氏を応援したと言うのに、この変わり身の早さは呆れるばか
りである。橋下氏が次期衆院選に「大阪維新の会」からの70人という大量擁立の可
能性を示唆したことに慌てたわけでは無かろうが、法改正の必要な「大阪都」構想は
国政との連携は欠かせないのは確かである。協力を惜しまなければ、大阪維新の会
国政に乗り込んでくるようなことも無い。しかし、民主党の最大支持組織の一つであ
自治労が橋下氏と完全に敵対していることで、本気で「大阪都」構想に取り組むこ
とが可能か怪しくなってくる。支持組織を敵に回して、橋下氏に擦り寄れば相応の報
復はあるであろうし、構想を捨て置けば関西の選挙区は厳しくなるかもしれない。危
うい綱渡りが始まろうとしているようだ。