野田首相は3日夕、都内のホテルで開かれた中小企業経営者の会合に出席し、消費税
率引き上げを含む社会保障・税一体改革の取りまとめや、環太平洋経済連携協定交渉
参加に向けた協議などについて、「不退転の覚悟でしっかりやる」と述べた。出席者
が明らかにした。会合は非公開で行われ、首相は15分間のあいさつを行った。出席
者によると、首相は当面の政策課題として、消費税率引き上げ、TPP交渉参加、安
全保障の三つを挙げ、「自分の代で、捨て石になってけりをつける」などと語った。

 

野田首相の意気込みとは裏腹にTPPにせよ、消費税率の引き上げにせよ、安全保障
の面にせよ、どれもが一筋縄ではいかない課題である。特に安全保障の面では、普天
間基地の移設問題は、完全に袋小路に入ってしまい、沖縄県を説得するのは容易では
無いだろう。むろん、問題をややこしくしたのは民主党が原因であり、解決するのは
民主党の責任である。「自分の代で、捨て石になってけりをつける」との覚悟も別に
評価すべきものではないのだ。野田首相がやらなくてはならないことであって、結果
が求められることである。努力はしたが無理だった、では誰も納得しないであろう。
反対派への配慮からTPPの参加表明も煮え切らず、消費税率の引き上げを巡っては
小沢氏が反対の構えを見せている。厳しい状況なのは間違い無いだろう。