一川保夫防衛相は7日の参院決算委員会で、米軍普天間飛行場の移設問題を巡る前沖
縄防衛局長や自身の発言を巡り与野党から辞任論が出ていることに関し、「確かに私
自身もいろんなことをすべて勉強することは不可能だ」と述べた。民主党前原誠司
政調会長が3日に一川氏を「勉強不足が過ぎる」と批判したことについて、公明党
加藤修一氏がただしたのに答えた。また自民党片山さつき氏が航空自衛隊の次期主
力戦闘機に応募している3機種に求められる機能を尋ねたのに対し、一川氏は「機種
選定の最終的な段階で、答えを差し控える」との答弁を繰り返した。

 

野党のサンドバック状態の一川氏だが、野田首相の擁護もあってか、辞任はせずに職
務を全うするつもりのようだ。果たしてそうことがうまく運べば良いが、9日には問
責決議案が可決される見込みである。むろん、問責決議案には法的な強制力がない以
上は、一川氏が辞任する必要もないのは確かであろう。しかし、門外漢としか言えな
い一川氏が防衛相に就いていることは、周辺各国に誤ったメッセージを送ることにな
りかねないのではないか。素人の一川氏が航空自衛隊の次期主力戦闘機の採用を判断
するなんて悪い冗談そのものである。政治主導なるものによって、こうも国益を損な
うことを民主党は知るべきだろう。