来年度から新しい仕組みに変わる「子ども手当」について、民主党は名称を「子ども
のための手当」として自民、公明両党に提案する方針を決めた。略称は「子ども手当
」になる。ただ、児童手当に戻すことを求めている自公両党の反発は必至だ。所得制
限導入など来年度から子ども手当見直しを決めた3党合意では、名称を変えることも
決定。民主党マニフェストの目玉政策の断念をアピールしたい自公両党が強く求め
たため。ただ、子ども手当が継続することを強調したい民主党としては、名称はでき
るだけ変えたくないところ。厚生労働省内には「まったく新しい名称でないと収まら
ない」と協議の行方を心配する声も出ている。

 

民主党はどこまで「子ども手当」にこだわるのだろうか。そもそもマニフェストに記
載されていた2万6000円の満額支給を一度も果たすことが出来ず、財源の不足が
現実のものになると、所得制限の導入に合意せざるを得なくなった。事実上、子ども
手当という政策は継続が困難となったのだから、もはや名前などにこだわる必要は無
いはずだ。3党合意を破棄したいのか、民主党の意図は分からないが、参院を野党に
押さえられた現状では、3党合意を尊重するのが筋ではないか。今のままでは、野田
政権は「児童手当」の実施すら困難な状況に追い込まれる。詐欺同然のマニフェスト
で政権を奪取した民主党にとって、当然の末路ではあるが。