民主党に離党届を提出した内山晃氏ら衆院議員9人は4日、「新党きづな」の結党を
総務省に届け出た後、衆院議員会館で記者会見した。代表に就いた内山氏は「震災復
興やデフレ脱却に全力で取り組む」と強調。「今やることは消費増税でも八ツ場ダム
建設継続でもない。環太平洋連携協定は論外だ」と野田政権への対決姿勢を示した。
民主党から新たな離党者が出た場合、内山氏は「来る者は拒まずだ」と前向きに受け
入れる考えを示し、「野党として是々非々で対応する」と重ねて表明した。民主党
小沢一郎元代表との関係や、鈴木宗男衆院議員らが結成した新党「大地・真民主党
との連携に関しては、「今の段階では明確にお答えできない」と述べた。

 

民主党を飛び出した衆院議員9人は「新党きづな」を結党し、野田政権との対決姿勢
を示したようだが、果たしてどれだけ影響力を発揮出来るであろうか。民主党は国民
新党と合わせても衆院で3分の2の議席を占めておらず、もともと切り札たる再議決
が出来ない状態であり、参院が野党に押さえられている以上は衆院で多数を占めてい
ようが、法案を強行採決することも出来なかった。離党者がキャスティングボードを
握っているわけでもなく、執行部も引き留めはしなかったのであろう。離党した議員
は選挙基盤が盤石とは言えず、他党とのパイプ役になれそうなベテラン議員もいない
ようである。これでは、新たな離党者の受け皿と成り得るかは微妙だ。小沢氏が一定
の関係を保つにせよ、政界を動かすには力不足に見える。