野田佳彦首相は6日、内閣改造を13日に断行する方針を固めた。昨年12月に参院
で問責決議を受けた山岡賢次国家公安委員長一川保夫防衛相の交代が柱となる。複
数の政府関係者によると、藤村修官房長官は海外出張を予定していた閣僚に対し、1
3日の閣議には必ず出席するよう求めた。民主党内では平野博文国対委員長の入閣が
取り沙汰されている。自民党などは首相が山岡氏と一川氏を続投させた場合は、通常
国会での審議には応じられないとの姿勢を示してきた。

 

野田首相の決断の遅さがここに表れているだろう。通常国会を前にして、ようやく内
閣改造に踏み切ったわけだが、スパッと更迭したと言うよりは野党に配慮しただけに
過ぎない。これでは党内からも不満が出るのではないか。問責決議を受けた山岡氏と
一川氏を徹底的に守ることもなく、間際になっての内閣改造では話にならない。適材
適所と党内融和が野田首相の考えだったようだが、適材適所で無かったことを、自ら
認めたことにもなり、小沢グループの反発も買うはずだ。増税反対派が勢いを増す中
で、野田首相は厳しい政権運営を迫られることだろう。