税と社会保障の一体改革を巡る協議に野党が応じる姿勢を見せない中、民主党の輿石
東幹事長が、協議なしでの消費増税法案提出に言及するなど、強硬路線をにじませ始
めた。民主党は11日、協議参加を野党側に呼びかけるが、輿石氏は野党側の譲歩を
引き出すには、硬軟両様の構えが必要と判断したとみられる。参院で問責決議を受け
一川保夫防衛相と山岡賢次国家公安委員長の交代というカードを切る前に、どれだ
け野党との間合いを詰められるかを見極める意図もありそうだ。

 

協議なしでの消費増税法案の提出などブラフにもならないだろう。衆議院で多数を占
めているとは言え、参院で審議をせずに店晒しにされるのがオチである。どれだけの
覚悟を野田首相がしているのかは知らないが、民主党の執行部は大きな勘違いをして
いるのではないか。問責閣僚の更迭を決めたのは、野党との距離を詰めるためであっ
たはずだが、このような発言が出てくるようでは硬化するばかりであろう。通常国会
を前に、野田政権は早くも焦りが見えてきた。