自民党は22日午前、都内のホテルで定期党大会を開いた。野党に転落後、3回目の
党大会で、谷垣禎一総裁は演説で「いよいよ政治決戦の年だ。一刻も早く政権を奪還
しなければならない。国家危機に陥る瀬戸際だ。その前に自民党が日本を救い出さな
ければならない」と強調。24日召集の通常国会民主党政権を追い詰め、衆院解散
・総選挙を迫る意気込みを表明した。また、民主党衆院選マニフェストで掲げた重
要政策は破綻していると指摘し、「今問われるべきことはなぜ協力しないのか、では
ない。国民との約束を破った民主党は信を問い直せということだ」と述べた。消費増
税をめぐる与野協議に自民党が応じないことへの批判に反論したものだ。

 

9月に総裁選を控える谷垣氏にとって、民主党を解散に追い込まない限りは再選の芽
は無いと見るべきだろう。やはり「地味」との評価が先行してしまう谷垣氏では選挙
は戦えない、そんな考えが長老や浪人中のベテラン議員から出てくれば、谷垣降ろし
さえ有り得るのだ。そのために対決姿勢を強めているのだろうが、野田政権が思った
以上に粘れば谷垣氏は逆に党内から突き上げを食らう。それだけに、公明党や他の野
党とも連携していく必要があるだろう。政治決戦の年、といくら自民党が叫ぼうとも
解散するかしないかは野田首相が握っている。国民との約束を破った民主党でも、任
期中は政権政党の座に有り続ける。その現実を受け止めなければならない。