自民党岸田文雄国対委員長は23日夜、沖縄県の米軍普天間飛行場を視察した田中
直紀防衛相が「ヘリコプターが小学校に接近して降下するケースは少ない」と発言し
たと地元メディアが報じていることに関し、「事実であれば県民が怒りを感じる発言
だ」と指摘した。同時に「(野田佳彦)首相の任命責任は免れない。問いただした結
果として、(首相の)問責決議や内閣不信任(決議案の提出)に至ることも考えられ
る」と述べ、厳しく対応する考えを示した。都内で記者団に語った。

 

安倍政権で農相がコロコロと変わったように、野田政権では防衛相が相変わらず野党
の集中砲火を浴びている。一川前防衛相は素人発言が最後まで尾を引き、野田首相
かばい続けたものの、結局は更迭されてしまった。この判断の遅れが野田首相のイメ
ージを悪化させたとも言えるだろう。田中氏は就任直後、普天間飛行場移設問題で「
年内着工」に言及して、いきなり沖縄の反発を招くなど安全保障の知識が乏しいこと
を露呈している。このままでは、遅かれ早かれ野党の猛攻を受けることになるだろう。
国防を担うはずの防衛相が弱点となるとは皮肉な話である。