民主党は25日の両院議員総会で、参院幹事長に一川保夫前防衛相、副代表に山岡賢
次前国家公安委員長を充てる党役員人事を報告した。両者とも昨年の臨時国会で問責
決議を可決され、13日の内閣改造で交代したばかり。更迭色を薄めることで、「傷
を付けない」よう輿石東幹事長が配慮した。だが、党内融和を最優先する人事を野党
側は批判しており、野田政権の弱点になりつつある。詐欺罪で有罪判決を受けた男性
を秘書官にしていた平岡秀夫前法相は党総務委員長に脱税で有罪判決を受けた会社の
元社長から献金を受けていた蓮舫前行政刷新担当相も行革調査会会長代行に就任した。

 

皮肉な話だが党内融和を狙って起用した閣僚が野党の猛攻を受け、更迭されるに至っ
た中で、その代わりなのだろうか、党の要職で起用される事態が起きている。いずれ
も輿石幹事長が押さえる参院枠の閣僚であり、逆に足を引っ張っているとも言えるだ
ろう。こうした人事が野党の批判を浴びる覚悟があるのなら良いが、単に党内融和を
優先した結果であるなら悲しいことだ。野田首相改造内閣の顔ぶれを「行政・政治
改革、社会保障と税の一体改革を推進する最善かつ最強の布陣」と評価して見せたが、
最強どころか早々に空中分解しかねない危険をはらんでいるのだ。