菅直人前首相がスイスのダボスで25日に開幕した世界経済フォーラム年次総会(ダ
ボス会議)で世界の表舞台に再登場する。福島第1原発の事故では自ら陣頭指揮した
政府の対応が各方面から批判を浴びたが、今回の菅氏の役回りは反原発運動の推進で
ある。菅氏はウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで「世界が原発
依存しなくてもやっていける社会を目指すべきということを世界に発信していきたい」
と語り、26日に予定されているダボス会議での演説に盛り込む意向を明らかにした。

 

首相の座に固執し続け、退陣偽装をした厚顔は相変わらずのようである。政府の原子
力災害対策本部の議事録が作成されていなかったことが明らかになり、陣頭指揮をと
ってきた菅前首相をはじめ、いったい未曽有の事故にどう対処したのか、肝心の部分
が闇に閉ざされてしまった。これでは後世に教訓を伝えることも出来ず、誤った対応
をしていたのだとすれば、それは記録されてこそ意味があるものだった。「世界が原
発に依存しなくてもやっていける社会を目指すべきということを世界に発信していき
たい」などと語る前に、いったいどんな陣頭指揮をとってきたのか、国民に対して自
らの言葉で語るべきではなかろうか。