消費増税を柱とする「税と社会保障の一体改革」で、最初の増税時をめどに低所得者
向けに実施する「給付措置」の取り扱いに関心が集まってきた。民主党内では1人1
万円を支給する案が浮上し、安住淳財務相も28日、給付の必要性に改めて言及した。
ただ、安易な給付は「バラマキ」との批判を招きかねず、政府は給付額や対象を慎重
に検討する。安住財務相は28日、福岡市内で一体改革についての説明会を開いた後、
記者団に「早い段階からセーフティーネット(安全網)としての現金給付を考えたい」
と述べた。低所得者ほど負担感が重くなる消費税の「逆進性」に配慮したものだ。

 

政府・与党は一体改革素案で消費税率を14年4月に8%、15年10月に10%に
引き上げる方針を固めたわけだが、民主党はまたしてもバラマキに走ろうと言うので
あろうか。支給対象は、個人住民税や所得税の課税が免除される層とする案が有力で、
その対象者は最低でも数百万人と見られ、必要経費は年間で最大で1000億円規模
となる可能性がある。そう言った経費はいったい何処から捻出されるのであろうか。
増税の一部をこれに充てると言うのなら本末転倒ではないか。さらに、金額は1人当
たり年1万円との案も意味があるとは思えない。1万円を支給するために、どれだけ
の経費が必要なのか。民主党はとりあえず現金を給付すれば良いと考えている節があ
るが、逆進性への対応としては中途半端すぎではなかろうか。