民主党広野允士広報委員長は9日、消費増税方針に反対して広報委員長の辞表を
輿石東幹事長に提出した。広野氏は小沢一郎元代表に近く、野田佳彦首相の増税
針に反対する動きが党役員からも生じた形だ。民主党は7日の常任幹事会で「『明
日への責任』対話運動本部」を設け、税と社会保障の一体改革に関する全国キャン
ペーンを展開することを決定しており、同本部メンバーの広野氏は「キャンペーン
を広報委員長としてやっていくのは(できない)という気持ちだ」と語った。元代
表には8日夜に辞表を提出することを伝えたという。

 

小沢氏が増税に反対の意向を示したことで、小沢氏に近い議員も同調する動きを見
せ始めているようだ。小沢氏は消費税増税法案に反対する姿勢を明確にしているこ
とについて「造反ではない」と強弁したらしいが、少なくとも党としての手続きを
経ている以上、その際にきちんと反論すべきだったのではないか。決まった後から
文句を言っても何も始まらないのだ。これでは増税反対の言葉が単に倒閣の材料と
して使われているようにしか思えない。数の力でしか対抗出来ない小沢グループ
とって、もはや拠り所は選挙で生き残る方法ぐらいのものであろう。