自民党谷垣禎一総裁に対し、16日の各派閥総会などでベテラン議員たちから「発
信力が弱い」などの不満が続出した。伊吹氏は「自民党の支持率が上がらない」と嘆
いたうえで、次期衆院選に備えて「落選している人の選挙区をずっと歩くべきで、党
本部にいたら駄目だ」と苦言を呈した。同派の二階俊博経済産業相も「その通りだ」
と同調した。町村派総会では、谷垣氏の顔が逆光気味で見えにくい党の広報ポスター
がやり玉に。「顔が見えない。作り替えないと駄目だ」との声が上がり、森喜朗元首
相が別の党会合で「なんであんなポスターにしたのか」と石原幹事長に詰め寄った。

 

下野してから2年半。長らく政権政党の座にあり続けてきた自民党にとって、苦しい
月日であったことだろう。自民党以外の選択肢として有権者の支持を集めたはずの民
主党も首相の顔を挿げ替え、何とかその命脈を保っている状態である。次期衆院選
自民党が政権を奪取出来る、そんな考えを落選したベテラン議員を抱いても不思議
ではないが、そうは簡単にはいきそうにない。民主党だけでなく既成政党への支持が
落ちている現状に、自民党過半数を取れるとは思えない。さらには選挙制度が変わ
れば、これまでのように極端な選挙結果とはならないかもしれない。谷垣氏が地味で
発信力が無いのは確かだが、それ以外の要素の方がはるかに影響しているのだ。