野田佳彦内閣の支持率低下が止まらず、永田町では「次期衆院選民主党が惨敗する」
という空気が支配的となっている。こうしたなか、選挙基盤が弱い当選1回の民主党
衆院議員(約130人)が浮足立ち、野田首相が推し進める消費税増税に反対して「
離党」を口にする議員まで出始めた。大阪市橋下徹市長らが仕掛ける第3極に活路
を見いだそうとする向きもあり、「離党予備軍は40人は下らない。そのリストもあ
る」(党関係者)との声もある。「すぐに衆院選があれば、民主党の当選1回議員の
うち2割も残らないのではないか。浮動票が入らないだろう」民主党小沢一郎元代
表は21日夜、自身の支持グループ議員約30人と都内で会食し、早期の衆院解散に
警戒感を示した。

 

小選挙区制の弊害は選挙結果が極端にブレるということであるが、郵政解散で大勝し
自民党も2年前の総選挙では1年生議員がほとんど討ち死にした。民主党が一年生
議員の選挙区を対象にした情勢調査では「優勢2割」「接戦4割」「劣勢4割」とい
う結果で、野田政権の支持率が落ち続ける中、さらに劣勢となることが予想される。
小沢氏にとって一年生議員を束ねることで、数の力を発揮してきた。公判で無罪を勝
ち取った後、党員資格を取り戻し復権するシナリオも大きく修正する必要が出てくる。
自分が当選させてきたと自負する一年生議員が、討ち死にを恐れて民主党以外の政党
から出馬しようとすれば、小沢氏にとっては裏切られたも同然であろう。しかし、生
き残るための戦いは始まっている。この流れは止まらないだろう。