岡田副総理は5日の衆院予算委員会分科会で、社会保障・税一体改革の柱となる消費
税率引き上げ関連法案について、「与野党でしっかり協議したいが、なかなか機運が
高まっていない。いつまでも時間をかけられないので、法案の形で国会で協議するこ
ともありうる」と述べた。法案化前の与野党協議が実現しなくても、予定通り3月中
に法案を国会に提出する考えを示したものだ。大綱には「与野党協議を踏まえ、法案
化を行う」と明記されているが、野党側は「開かれた国会での協議」を求めている。

 

岡田氏は消費税率引き上げ関連法案を強行突破で、本当に成立させられると思ってい
るのだろうか。衆院は通せても強行突破では参院を押さえる野党の反発で、審議され
ないまま放置されかねない。与野党協議の実現以外に成立の見通しは立たないだろう。
「できれば法案化する前に協議し、より良いものにしたいが、機運が高まっていない。
いつまでも時間はかけられないので、法案の形でご協議いただくこともあり得る」と
岡田氏が息巻こうが、民主党の苦しい立場は変わらない。野田首相と谷垣氏の極秘会
談による成果が出ない限りは、国会は停滞することだろう。