野田佳彦首相は8日の衆院予算委員会で、ロシア大統領への返り咲きが決まったプー
チン首相が「引き分け」という表現で北方領土問題解決に意欲を示したことについて、
「引き分けの意味は双方納得できる結果という意味だと思う。(4島のうちの)色丹
島、歯舞群島の2島返還だからいいという話ならば引き分けにならない」と述べ、2
島返還での解決は目指さない考えを強調した。

 

野田首相は「4島のうちの2島の面積は7%だ。残り93%が来ないということでは
引き分けにならない」と主張したものの、ここで言う「引き分け」とはプーチン首相
の表現を借りたものである。プーチン首相は柔道の「引き分け」という表現を用い、
「負けないために大胆な一歩を踏み出す必要がある。最終的に解決したい」と北方領
土問題の解決に言及したわけだが、果たして「引き分け」が意味することは何なのか。
その辺の見極めが出来ないまま、前のめりになっても仕方ないだろう。領土問題の解
決に楽な道など無いのだから。