野田佳彦首相は25日、消費増税法案に反対する民主党小沢一郎元代表との会談に
ついて「私から誠心誠意、自分の思いと覚悟を伝える。元代表もいろいろお考えがあ
るでしょうから、虚心坦懐におうかがいする。別に秘策はありません」と述べた。会
談は「来週中には実現すると思う」との見通しも示した。小沢元代表は24日のグル
ープ会合で「首相との議論は平行線かもしれない」とけん制する発言をしている。こ
れに対し首相は消費増税の必要性を正面から説く「正攻法」で臨む考えとみられる。

 

当の小沢氏は「私の考えは変わっていないので平行線になるかもしれないが、3人で
会って話そうということであれば幹事長に任せると言った」と述べており、今のまま
会談が実現したところで、野田首相が得るものは何もないかもしれない。それだけに
野田首相の「覚悟」が空回りするのは目に見えている。小沢氏が反増税を打ち出すの
は、自身のグループの大半を構成する一年生議員が選挙で討ち死にするのを避けるた
めであり、ひいては数の力を守るためであろう。あくまで自身の復権を目指す小沢氏
と消費増税に政治生命を賭けるとまで言い切った野田首相。対照的な二人がどのよう
に折り合いを付けるか、注目したいところだ。