野田佳彦首相は4日午後、首相官邸で記者会見し、内閣改造の狙いについて「社会
保障と税の一体改革を含め諸懸案を前進させるための環境整備をすべく、機能強化
という視点で改造した」と説明した。防衛相に民間人の森本敏氏を起用したことに
関しては「安全保障分野のわが国の第一人者だ。安全保障環境が不透明な中、大い
に力を発揮してもらえると確信している」と語った。首相は消費増税を柱とする一
体改革関連法案について「国会審議のみならず、野党との政党間協議を改めてお願
いしたい」と述べ、自民党などに修正協議を重ねて呼び掛けた。

 

野田首相はタイミングと言うのものを逃し過ぎではなかろうか。今回の内閣改造
交代したのは問責閣僚である田中防衛相、前田国交相、そして鹿野農水相、小川法
相、自見金融・郵政民営化担当相で、いずれも何らかの問題を抱えていた閣僚ばか
りではないか。「首相を拝命したのは天命だ。国のためにやるべきことをやる」と
野田首相は言うものの、今回交代した閣僚は適材適所として配置されたはずではな
かったのか。果たして今回の改造に何を見出すべきであろう。政治生命を懸けると
まで言った消費増税法案を成立させるには、内閣改造だけで話が進むとも思えない
のだ。野田首相の本気を見たいものだ。