民間から初めて起用された森本敏防衛相が就任早々、試練に直面している。米海兵隊
の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが4月に起こした事故の原因が究明されなく
ても、沖縄県の米軍普天間飛行場に予定通り配備される可能性があると発言。地元の
反発を招き、民主党沖縄県連からは異例の辞任要求を突き付けられた。問題の発言は
就任から一夜明けた5日午前の閣議後の記者会見で飛び出した。森本氏は、開発段階
からトラブル続きのオスプレイが4月にモロッコで起こした墜落事故に関し「配備前
に全ての事故調査結果が提供されることが望ましいが、必ずしもそうならないことは
あり得る」と述べた。

 

オスプレイ普天間基地に配備される予定だが、事前に岩国基地での試験飛行を行い、
機体の安全性の確認作業を本州で試すことになっている。オスプレイは2012年度
に12機、14年度までにさらに12機が普天間飛行場に配備される。トラブル続き
オスプレイ普天間基地に配備することで、さらに沖縄側の反発を呼ぶこととなり、
それだけに配備には慎重になるべきだろう。民間から安全保障の専門家として起用さ
れたはずの森本防衛相だが、いきなり厳しい局面を招いてしまったようだ。民主党
沖縄県連は「オスプレイの配備は言語道断で、県民蔑視以外の何ものでもない。沖縄
と政府との全面対決だと受けとめなければならない」と反発しており、これを収拾さ
せるだけの解決策があるとも思えない。