民主党は27日午後、臨時の常任幹事会を開き、小沢一郎元代表ら消費増税法案に反
対した造反者への対応について、党のルールに従い厳正に対処することを確認した。
ただ、小沢氏が離党、新党結成を視野に入れる中で除籍などの処分を下せば、党分裂
を加速・拡大させかねない。輿石東幹事長ら執行部は離党者の規模を最小限に抑えた
い考えで、除籍や離党勧告は見送られる公算だ。輿石氏は28日、小沢氏と会談する。
法案に反対したことについて、直接事情を聴くとみられる。

 

増税法案の採決では小沢氏ら57人が反対票を投じたわけだが、民主党造反議員
どのような処分を下すのであろうか。ここで変な温情を見せれば、自民党公明党
一斉に反発するはずだ。しかし、全員を除籍してしまうと野田政権は一気に少数与党
に転落することになる。野党に転じた小沢一派が内閣不信任決議案を提出すれば、自
民党、公明党も反対するのは難しい。むろん、これも小沢氏にとって全てが有利に働
けばの話ではあるが、何にしてもすでに分裂状態の民主党を繋ぎ合せるのは、どだい
無理なのだ。曖昧にしたままでは、かえって禍根を残すことになるだろう。