野田佳彦首相は24日午前の参院予算委員会で、赤字国債発行に必要な特例公債法案
について「成立しないまま秋を迎えると大変厳しい予算執行の抑制などせざるを得ず、
国民生活や経済活動にも影響する。マーケットも見ており、神経を使っていかなくて
はいけない」と述べ、今国会での成立に決意を示した。民主党川上義博氏への答弁。
川上氏は「特例公債法案が成立しない限り、衆院解散はあり得ない」と指摘したが、
首相は「解散うんぬんは軽々に言及しないようにしたい」と述べるにとどめた。

 

民主党赤字国債発行を可能にする特例公債法案について、8月1日に衆院財務金融
委員会で採決し、2日に衆院通過させる意向を自民党に伝えたようだが、自民党や公
明党にとっては、野田首相が解散を確約しない限りは、特例公債法案を人質に取るの
は間違いないだろう。消費増税法案も参院で成立したわけではなく、当面は野党の協
力を得る必要があるのだ。実際のところ赤字国債の発行が出来ないままだと、予算執
行に極めて重大な問題となる。さすがに自民党公明党もそこまでの混乱を望んでい
るわけではなかろうが、どちらが折れるだろうか。その辺にも注目したい。