野田佳彦首相は1日、衆院解散・総選挙の時期について「他の方が与野党ともにいろ
いろなことを言っているが、しかるべき時にやるべきことをやった後に信を問うとい
う姿勢は変わっていない」と述べた。関東の9都県市合同防災訓練に参加するために
訪れた横浜市内で記者団に答えた。首相は8月、自民、公明両党との党首会談で「近
いうちに信を問う」ことで合意したが、参院で首相問責決議案が可決され、民主党
に「合意は白紙」との声がある。こうした情勢を踏まえ、記者団が首相の衆院解散・
総選挙の時期をただしたが、表現を後退させた格好だ。

 

菅前首相もそうだったが、出処進退を明らかにしないのは民主党議員の悪いところだ
ろう。「解散の時期について首相は嘘をついても良い」というのが、永田町の常識と
言った見方もあるようだが、それが国民の理解を得られるとは思えないのだ。参院
野党に押さえられている現状が改善していない以上、解散時期をズルズルと引き延ば
したところで、野田政権は立ち往生するだけであろう。消費増税法案に政治生命を賭
けると言ったのは、自民党公明党を騙すためだったと批判されても仕方ないだろう。
もはや民主党は政権を維持するだけの力を失っている。民主党政権が続く限り、政治
は停滞し続けることだろう。