自民党総裁選(14日告示、26日投開票)で再選を目指す谷垣禎一総裁が苦境に立
たされている。野田佳彦首相と「近いうちに解散」で合意したものの、9月8日に会
期末を迎える今国会中の衆院解散を求めているうちに、安倍晋三元首相と石破茂前政
調会長は着々と出馬準備を進める。谷垣氏は、8月30日から全国遊説を始めたが、
出遅れた感は否めない。

 

谷垣総裁は遊説で「一日も早く解散して、もう1回新しい政治体制を作らないといけ
ない。そのために全力で戦う」と訴えたものの、野田政権を追い込み切れなかったと
言う負い目はあるのではないか。近いうちに信を問う、との言葉を引き出したものの、
今国会中の解散は有り得ず、いつなのかが分からないままでは、自民党総裁選ではこ
の点が足を引っ張るであろう。安倍元首相や石破前政調会長がどれだけの支持を集め
るかは分からないが、谷垣総裁の再選が既定路線では無くなったのは間違いない。