第180通常国会は7日、事実上閉会する。最大の焦点だった消費増税法は8月10
日に成立したが、参院で4月に2閣僚の問責決議、8月末には野田佳彦首相の問責決
議が可決。参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」は、その度に長期にわたり空転
した。不毛な対立の末、原子力規制委員会の同意人事や「1票の格差」を是正する衆
選挙制度改革関連法案など多くの重要案件が未成立で残った。今国会の会期は9月
8日までの229日間だが、8日は土曜のため7日が実質最終日となる。

 

政府の新規提出法案83件のうち、成立は55件(成立率66・3%)で、通常国会
としては歴代ワースト5位を記録している。やはり衆参ねじれの下では法案成立には
限界があるのではないか。野党としてはどんなに良い法案でも与党に協力して成立さ
せては手柄だけを持っていかれることになり、反対のための反対に徹することになる。
特例公債法案、衆院選挙制度改革関連法案なども棚上げされ、臨時国会の召集後も与
野党の争点となるだろう。特に特例公債法案が成立しないと予算執行に重大なる支障
をきたすことになる。特例公債法案が野党の人質に取られている以上、与党は身動き
が取れなくなるのは必至である。