岡田克也副総理は5日の記者会見で、自民、公明両党が野田佳彦首相に衆院解散時期
を明確にするよう求めていることについて「時期をはっきり明示しろと言った野党党
首はいないのではないか。はっきりしないと他の物事の相談に応じないというのは、
まったく受け入れられない論理だ」と批判した。自公両党が、解散時期の明示を特例
公債法案への協力の前提としていることに関しては「通してほしければ妥協しろとい
う政治が国民から不信感を持って見られている。条件を付けずに速やかに通してもら
いたい」と語った。

 

国民生活に直結する特例公債法案を人質にするのは確かに好ましくないが、野田首相
は近いうちに国民に信を問う、と谷垣自民党前総裁、山口公明党代表に約束した以上、
ズルズルと解散を先送りするのは、それこそ政治のモラルハザードであろう。解散時
期は嘘をついて良いと言うのも、別にそれが明文化されていないわけで、消費増税
案を通すために騙したと批判されても仕方ない。ボロボロと離党者が相次ぐ民主党
は、居座ろうにもいずれ与党は衆院でも過半数割り、内閣不信任決議案が成立するこ
とになる。そうなる前に重要法案はきちっと成立させ、国民に信を問う。それこそ、
野田首相の花道となるのではなかろうか。