赤字国債発行のための特例公債法案が焦点となる臨時国会の召集時期が定まらない。
野田佳彦首相は「財政運営が困難になる」と野党に無条件の協力を迫るが、自民党
は協力条件に「『近いうち解散』の明確化」を迫って譲る気配がなく、停滞の責任
を互いに押しつけあっているためだ。首相と自民党安倍晋三総裁らの党首会談の
日程も未定で10月下旬とみられた開会時期が11月にずれ込む可能性が出てきた。

 

輿石幹事長は9日の記者会見で、臨時国会の召集について「いつ開くかは私が決め
る話ではない。(民主、自民両党の新執行部のあいさつが行われる)11日に段取
りができるので、そこからだろう」などと呑気なことを言っていたが、開きたくて
も開けないのが本音であろう。安倍総裁は「臨時国会で法律を通していくのは与党
の責任だ。いまだに臨時国会をやりたいという話もない。驚くべき状況だ」と批判
し、何の見返りも無しに野党に協力を求める野田首相を牽制している。いずれにし
ても、いつかは臨時国会は開かねばならない。野田首相がズルズルと召集時期を遅
らせても、何のメリットも無いと言わざるを得ない。