野田佳彦首相は16日夜の記者会見で、衆院を解散した理由について、8月の自民、
公明両党との党首会談での合意を念頭に「政治生命を懸けた社会保障と税の一体改
革を実現した暁には『近いうちに国民に信を問う』と言った。その約束を果たすた
めだ」と述べた。また、「『決められない政治』が続いてきた。その悪弊を解散す
ることで断ち切りたい」と強調した。

 

政治生命を懸けた社会保障と税の一体改革とは、果たして実現したのであろうか。
消費増税法案は成立したものの、肝心の社会保障の改革については宙ぶらりんの状
態ではないか。民主党はこのまま崩壊する運命のようだが、野田首相にとって今回
の決断は仕方のないところだろう。遅かれ早かれ解散に追い込まれていた以上、谷
垣前総裁と約束した「近いうちに国民に信を問う」を実現し、民主党政権最後の首
相として終わる、そんなシナリオだったのかもしれない。