野田佳彦首相は6日午後、報道各社の衆院選序盤の情勢調査で民主党の苦戦が伝えら
れたことについて「火の玉となって最後まで訴えていけば勝機は出てくる。厳しい選
挙だが、政治を前に進めていかなければいけないという思いを国民に共有してもらえ
ると思う」と述べ、巻き返しに全力を挙げる決意を強調した。名古屋市で記者団の質
問に答えた。藤村修官房長官は午前の記者会見で「与党に対して大変厳しい。ただ、
たくさんの政党が出ている関係から、まだ有権者もさまざま考えを巡らせている段階
だ。それぞれの党がこの情勢を見ながら改めての対策を練るということだ」と述べた。

 

多くの有権者にとっては、3年余りの民主党政権に引導を渡す、それが今回の衆院選
の位置付けなのではないか。第三極と呼ばれる新党の登場によって、既成政党の支持
が落ちるかと思いきや、票を失ったのは民主党だけであり、自民党は大きく議席を回
復する見込みである。これが小選挙区制の特徴なのかもしれないが、どうあがいても
民主党が再起することはない。例え自民党に敵失があろうとも、その票は第三極に流
れるだけのことだ。「火の玉となって最後まで訴えていけば勝機は出てくる」なんて
精神論で勝ち抜けるほど選挙が甘くないと、野田首相が知らないわけが無かろう。敗
軍の将は潔く散るべきであろう。