安倍晋三首相は1日、1月末に訪中した村山富市元首相、自民党加藤紘一元幹事長
らと官邸で会い、中日友好協会会長の唐元国務委員との会談について報告を受けた。
村山氏は沖縄県尖閣諸島をめぐり悪化している日中関係を念頭に「お互い刺激し合
うような言動を慎んでほしい」と注文を付け、首相は「賛同します」と応じたという。
村山氏は報告後、日本の植民地支配と侵略を認めた平成7年の「村山談話」に代わる
談話を首相が検討していることについて「村山談話の路線変更ではなく、前進させる
なら意味がある」と記者団に語った。

 

引退したとはいえ、元首相や与党の元幹事長が中国を訪れ歓待される。完全に利用さ
れているとしか見えないのだが、いったい何のための訪中なのだろうか。「首脳が決
断しやすい土台をつくる目的は果たせた」と自画自賛するものの、本当に目的を果た
せたのか、大いに疑問である。尖閣諸島を奪うためには、あらゆる手段を使ってくる
であろうし、我が国はその都度対応しなくてはならない受けの立場に追い込まれてい
る。それが一番の問題であり、先手を打つような策も講じるべきではないか。むろん、
中国に刺激を与えることなく、と言う難しい策なわけだが。