参院選日本維新の会石原慎太郎共同代表の影が薄い。党首討論やテレビ出演は橋
下徹共同代表に任せきり。街頭演説でも憲法破棄などの持論を封印している。春先に
崩した体調も万全ではなく、逆風下の戦いから身を引いているようだ。「憲法90条
を変えないと税金が無駄に使われる」。10日の東京・浅草の街頭演説。石原氏が訴
えたのは、会計検査院や国会の決算検査を規定する90条の改正だった。いまの憲法
を「米国の妾みたいな形で日本を安住させた」といった強硬論はなりを潜めた。

 

逆風下にある中で、大人しくている方が得策であると判断したのだろうか。東京都知
事を辞任してまで国政に打って出たものの、石原氏の思惑とは違って日本維新の会は、
厳しい状況に追い込まれている。もともと政策面ではズレのあった中で、オリジナル
メンバーを自負する大阪と旧太陽の党や既存政党の離党組の国会議員団、つまり東京
の亀裂が目立ち始めている。そう言った亀裂を目立たせないために、敢えて身を引い
ているのだとすれば、日本維新の会は遅かれ早かれ分裂することだろう。