原発ゼロ」を訴える自民党小泉純一郎元首相への対応に党執行部が苦慮している。
「反論すべきは反論する」として、小泉氏の発言内容の検証に乗り出したものの、誰
が担当するかを巡って押し付け合いが始まった。いまだに人気の高い元首相の発言だ
けに正面から批判もしづらく、党幹部の腰の引けた姿勢が目立っている。「それぞれ
の仕事をしてもらわないと、組織は成り立たない」自民党石破茂幹事長は8日の記
者会見で高市早苗政調会長への不満をぶちまけた。

 

小泉氏がなぜこのタイミングで脱原発を訴え始めたのか。石破氏は高市氏に発言の精
査を指示したわけだが、高市氏は小泉氏の講演録と党公約との比較表を提出し、「仕
事は終わった」との認識を強調し逃げに入っている。5年もの長期政権を打ち立てた
小泉氏だけに、喧嘩の仕方は心得ている。さらに国民的な人気もまだ衰えておらず、
下手に手を出したくないのが本音であろう。しかし、ここまで腰が引けているようで
はすでに勝負あったと言わざるを得ない。