インターファクス通信によると、ロシア下院の当局者は7日、ウクライナ
部クリミア自治共和国で高まるロシアへの編入要求に応えるため、下院が2
1日にも、外国の領土をロシアに編入するための手続きを定めた法律の改正
案を審議すると明らかにした。クリミアでは16日に編入への賛否を問う住
民投票を予定し、賛成が多数を占めるのは確実視されている。同通信による
と、改正案では、ある国に国民を守るべき国家権力が存在せず、領土の移管
を決める条約を結べない場合、住民投票で承認されれば、その国の領土の一
部をロシアに編入できるとしている。

 

着々とクリミア自治共和国のロシア編入が進む中、ウクライナはどう対応す
るのだろうか。米国は制裁を実行に移すようだが、ロシアと経済的な結び付
きも強い欧米諸国にとって、そう簡単に事を構えるわけにはいかないようだ。
これでは傍観者と大して変わらないのではないか。ロシアは外国の領土を編
入するための法整備を進めており、このままクリミアはロシア領として扱わ
れることになるのは間違いないだろう。ただ、それを国際社会が認めるとは
思えず、ますますロシアと欧米諸国の対立は深まることになる。暴挙とも言
えるロシアの行動を誰が止められるのだろうか。