集団的自衛権の行使を容認すると打ち出す指針をまとめた民主党長島昭久
元防衛副大臣らは、安全保障問題で野党再編に向けた新たな結集軸をつくる
狙いがある。しかし、民主党憲法解釈変更による行使容認には反対として
おり、長島氏らの言動は同党と正反対だ。結いの党も行使容認には慎重で、
野党内の動揺を広げそうだ。長島氏は9日の勉強会後、記者団に「野党の再
結集は必要だ。野党は外交・安保が弱点といわれる。4党の議員間で共通基
盤ができれば、憲政の発展にプラスだ」と意義を強調した。

 

長島氏が打ち出した指針は安倍政権の考えに極めて近く、それに野党が乗っ
かることは出来ないだろう。それでも指針を打ち出したのは、野党が現実的
な判断が出来ることを証明するためなのではないか。さらに安倍政権にとっ
て、この指針に賛同した野党議員が48人もいることが、行使容認に慎重な
公明党を牽制することにもなる。確かに憲法解釈の変更だけで、済ませてし
まうのは乱暴と言えば乱暴である。ただ、憲法改正のハードルが異常に高く、
実現が現実的でない中、導き出した手段の一つではあろう。