大阪府大阪市を統合再編する大阪都構想の協定書議案が27日、府市両議会の本会
議で、野党の反対多数で否決された。両議会で承認が得られなければ都構想の是非を
問う住民投票は実施できないため、都構想はいったん頓挫することになるが、大阪維
新の会代表の橋下徹市長と幹事長の松井一郎知事は同じ内容の協定書を再提出する構
えで、与野党の激しい攻防は続きそうだ。

 

橋下氏は野党市議が前回の統一地方選で得た総票数が当時の有権者数に占める割合が
32%だったことに言及し、「たかだか32%の支持しか得ていないのに最終決定権
を持つというのはおこがましい」と批判している。だが、これも民主主義の姿である。
大阪都構想自体が頓挫していることを、そろそろ認めるべきではないか。否決された
のは数の論理かもしれないが、否決されるだけの理由がないか、考えるべきである。
自分たちが押し進めていることは間違っていない、そんな自信を持つのは結構だ。た
だ、それが受け入れられるかは別である。