安倍晋三首相は9日、野党幹部の選挙区に相次いで入り、自民党への支持を訴えた。
報道各社の情勢調査で同党の優勢が伝えられる中、攻めの姿勢で引き締めを図ってい
る。首相は岩手県北上市で「まだまだ復興は道半ば。全力を尽くす」と東日本大震災
からの復興を急ぐ考えを強調した。同市を含む岩手4区は生活の党の小沢一郎代表の
地元。首相は名指しこそしなかったものの、「そろそろ変えた方がいい」と聴衆に呼
びかけ中選挙区時代から15回当選している小沢氏の「牙城」を切り崩しにかかった。

 

小沢氏も精力的にテレビやラジオに出演し、「一定の暮らしを保障するのが政治の目
標だ。安倍さんの基本を切り捨てる自由競争至上原理は国を誤る」と安倍首相との対
決姿勢を鮮明にしている。だが、生活の党は事実上、小沢氏の個人商店と化しており、
非常に厳しい状況にある。小沢氏だけが生き残っても、政党要件を満たせず、政党で
すら無くなることだろう。小沢氏が動いていた野党再編も実らず、一強他弱の状況は
崩せそうにない。絶望的な戦いに小沢氏はどう思うのだろうか。