「私は民主党の仲間が大好きです。一人も嫌いな人はいません」衆院選で落選した海
江田万里代表は15日、代表辞任表明の記者会見で、野党に転落した平成24年12
月以降の民主党をまとめてきた2年間をこう振り返った。「党内融和」を大切にして
きた海江田氏らしい発言といえる。民主党は、たしかに前回よりは議席を増やした。
しかし、二大政党の一翼を担えるほどの勢力には全然ならなかった。しかも、消費税
増税に反対していた人たちや、2年前の衆院選直前に泥船から逃れようとして党を去
った人たちを、数合わせのために復党を許しその人たちが結構の数で当選したのだ。

 

海江田氏は「民主党としての団結に私は2年間、かなり心を砕いてきた。どこの政党
と一緒になるということで、民主党が割れてしまうことは悲しい。そういうことがな
いようにしてほしい」と代表としての言葉を残したが、民主党がごった煮政党である
ことに変わりはない。今回、それなりに出戻り組が当選したことで、ますますその傾
向は強くなってしまった。今回の衆院選は与党が勝った、と言うよりは野党が勝たせ
たと言った方が正確ではないか。再建の道のりはますます険しくなってきたようだ。
数合わせの無意味さを思い知ったのではなかろうか。